Sunday, February 28
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ピロリ菌、バリウム、内視鏡…胃がん早期発見のために本当に必要な検査(テレ東プラス) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

ピロリ菌の感染は幼児期の衛生環境の良し悪しが関係

ピロリ菌がいない場合でも、やはり50歳を過ぎたら定期的に胃カメラ検査(内視鏡検査)を行う必要はあるのでしょうか。それとも毎年受けていればバリウム検査だけでも大丈夫ですか? そもそもどんな人がピロリ菌に感染しやすいのでしょうか。

―― 先生、ピロリ菌を除菌することで胃がんの発症はどの程度抑えられるのですか。

「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)は胃の粘膜に棲みつく細菌で、定着すると胃の粘膜に炎症を起こして胃炎を発症させます。この胃炎が10年20年と続くと胃粘膜は徐々に薄くなって萎縮し、その萎縮した胃粘膜には胃がんが発症しやすくなります。ですから胃がんとピロリ菌には密接な関係があります。

胃炎と診断された人を対象にした調査では、10年間で胃がんになった人の割合が、ピロリ菌に感染している人では100人に3人、ピロリ菌を除菌した人でも100人に1人というデータがあります。ピロリ菌の除菌治療を行うことで胃がん発症のリスクをおよそ3分の1に軽減できるわけですが、除菌治療をしてもゼロになることはないのです。」

「ピロリ菌の感染は0~5歳のときの衛生環境の良し悪しが関係しています。これは胃の粘膜の免疫が未熟な乳幼児のときに水や食物を介してピロリ菌が口から入り、棲みついてしまうからなんですね。ですから大人になれば感染の心配はほとんどありません。

日本でのピロリ菌の感染者数はおよそ6000万人といわれています。年齢が上がるとともに保有する人が増える傾向があり、10~20代では10%前後ですが、50代で約40%、60代以上で約60%と感染率が徐々に高くなります。

60代以上の方に保有者が多いのは戦中あるいは戦後すぐの頃に生まれていることなど、国内の衛生状態が今より良くなかったことが関係していると思われます。保有率は年齢層によって差がありますが、地域差などはみられません。」

―― ピロリ菌に感染していなければ胃がんの心配はしなくていいのでしょうか。

「たしかにピロリ菌がいたほうが胃がんになりやすくなります。胃がんの9割以上はピロリ菌が原因といわれていますが100%ではありません。つまりピロリ菌が陰性の胃がんの方が1割くらいはいるわけですから、それもまた問題なのです。

“ピロリ菌に感染していなければ大丈夫“ と言えないのは、ピロリ菌は条件がそろっていないと生存できないからです。たとえば、胃炎が長年続いて胃粘膜の萎縮が高度になると、ピロリ菌が棲めなくなるほど胃の中の環境が悪くなっている場合があります。胃の粘膜が薄くペラペラになって菌が寄生できなくなってしまうんですね。そうなるとピロリ菌検査をしても陰性になるのですが、じつはこのタイプの慢性胃炎が最も胃がんになりやすいので要注意なのです。

ちなみに、ピロリ菌(+)萎縮性胃炎と比べて、ピロリ菌(-)萎縮性胃炎は、約6倍がんになりやすくなります」。

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