Monday, March 1
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諦めないで、結婚式 コロナ禍で「出前」サービス – SankeiBiz

 新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの結婚式が中止や延期を余儀なくされている。大勢での宴席は感染リスクが高まるとされ、とりわけ高齢の親族にとっては健康への影響も心配されるためだ。そんな中、人生の大事な門出ともなる結婚式を諦めてほしくないと、婚礼事業者が新しいサービスを始めている。(大渡美咲)

 「緊急事態宣言中の挙式はほとんどゼロになり、いまは当時延期された挙式が行われている状況。親戚は呼ばずに、ごく少人数で行うので、着物を着ないケースも多く、仕事の量はだいぶ減りましたね」

 和装結婚式のプロデュースなどを手がける「ハートシェルボックス」(兵庫県西宮市)の代表、磯山紅さん(58)はそう話す。

 磯山さんは挙式の中止で心を痛めたカップルが多かったと聞き、「偶然コロナ(の時期)に当たってしまったが、せっかくの門出。心温まる小規模の会をさせていただきたい」と考えるようになったという。

 そこで考えたのが結婚式の“出前”だ。自宅や思い出の場所など、カップルの希望の場所に出向いて、結婚式を行う「Yuber(ユーバー)和婚」の提供を始めた。

 ベーシックプランの内容は、新郎新婦の衣装のレンタル、両家の母親の留め袖レンタル、人前式と写真が付いて28万円(税抜き)。 ほかに、衣装レンタルと写真のみのプランや、希望の場所をハートシェルボックスが用意するプランも用意する。後者の場合は、異国情緒が漂う神戸の名所、北野異人館街の「ラインの館」や、日本庭園が美しい酒造会社「白鷹」が運営する複合施設「白鷹禄水苑」(西宮市)も利用することができるという。

 これまでにこのサービスを利用したカップルは、自宅ではなく、磯山さんの事務所の近くにある日本画が飾られた建築物で挙式。

 磯山さんは「ご利用されたお客さまからは、いままでの結婚式は時間に追われているイメージだったが、(ひっそりとやる出前結婚式だと)せかされてないので、至れり尽くせりと喜んでいただいた」と話す。

 新型コロナの感染はまだ収まる見込みが立たないが、磯山さんは「コロナ禍の中でも、人生の大事な一瞬を大切にして、私たちも一緒に楽しい時間を共有したい」と話している。

 ブライダル業界大打撃

 新型コロナウイルスの感染拡大で、深刻な影響を受けるブライダル業界。業界団体の公益社団法人日本ブライダル文化振興協会(東京都)の推計によると、今年1~12月に中止もしくは延期となった結婚式は、約24万3千組。経済損失は8500億円に及ぶとみられる。

 感染が一時収まった8月以降は、延期やキャンセルが減少し、予定通りの実施も増加しているという。しかし再び感染が拡大しており、予断を許さない状況だ。

 全国の消費生活センターには、3月以降、結婚式の解約やキャンセル料に関する相談が多く寄せられた。

 一方、国民生活センターによると、新型コロナに関連した結婚式についての相談件数は、2~11月までで3725件。緊急事態宣言が出された4月が最多で、1365件に上った。

 そうした中、柔軟な対応も広がりつつある。ブライダル事業を展開する「リクシィ」は「withコロナ時代の結婚式宣言」を発表。式場見学のオンライン面談や、新型コロナを理由に日程変更する場合、後日、同じ式場で挙式すれば実質的に負担をゼロにするなどの対応をとる。全国の69社204式場が会社を超えて賛同している。

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